

今回は「デイサービス=大人の幼稚園?」「おじいちゃん・おばあちゃんの遊ぶところ」というイメージを少しだけアップデート。現場で毎日見えている“本当の役割”を、わかりやすくお話しします。
1. よく言われる誤解と、実際のデイ
「大人の幼稚園」なんて例えられることがあります。
たしかに、体操やレクリエーション、皆で笑う時間はあります。でも、それだけじゃないんですよね。
実際、私も「大人の幼稚園」を言われても否定できないでいました。デイで実際に仕事し始めるまではね。
結論から言うと、デイは“日中の安心”を支える場所であり、健康の変化にいち早く気づくための拠点でもあります。
2. 数値だけじゃ見えない「変化」を拾う
来所日には、体温・血圧・脈拍・血中酸素濃度などの健康チェックを行います。
ただ、本当に大事なのは数値に表れないサインです。
-
食欲の変化(食べる量・好き嫌いの急な変化)
-
表情や顔色(むくみ・皮膚の乾燥・貧血っぽさ)
-
気分・意欲(会話量、イライラ、不安、ぼーっとする時間)
-
認知機能の変化(時間や場所の見当違い、段取りの苦手化)
入浴支援がある日は、肌や体の状態をより丁寧に確認できます。
小さな傷・打撲・皮膚トラブルなども見つけやすく、必要に応じてご家族やケアマネジャーへ早めに共有・相談します。
デイには看護師が常駐しているので、専門的な視点からの観察・応急対応・受診提案まで一気通貫で動けます。
3. 送迎で見える“生活のリアル”
送迎時には、ご自宅の様子やご家族とのやりとりから、生活リズムや関係性の変化が垣間見えます。
「最近、起きる時間がずれてきた」「食事ペースが落ちている」「ご家族の介護負担が増えていそう」——こうした気づきをチームで共有し、ご利用者さまに今なにが最適かを考え、具体的に提案します。
合言葉は**“すべてはご利用者のために”**。
4. レクリエーションの意味づけ
遊びやレクは“楽しい時間”であると同時に、リハビリの一部でもあります。
-
からだ:関節可動域・筋力・バランスの維持
-
あたま:記憶・見当識・注意力の刺激
-
こころ:孤立の予防、自己肯定感、笑顔の回復
「楽しく続けられる仕掛け」は、機能の維持・低下予防に直結します。
5. チームで守る暮らし
デイは単独で完結しません。ご家族・ケアマネ・主治医・地域資源とつながるハブです。
気づきを早期に共有し、今の暮らしを、無理なく続けるための支援を積み上げていきます。
だからこそ——デイは「ただ遊ぶ場所」ではありません。
健康と生活を見守り、次の一歩を一緒に考える拠点なのです。
普段、介護職に携わっている人からしたら、「なにアタリマエノコトをブログにしてるのか?」なんて言われるかもしれません。
でも、このアタリマエノコトが未来のご利用者のご家族に伝わっていないこともあるんです。
これからデイサービスを利用を検討しているご家族にこのことが伝われば幸いです。
ということで、森の里は今日も平和です。